おおよそ10年程Web制作を仕事にしてきました。
最近は副業やフリーランスという働き方が増え、Web制作を始める方も増えたようにも感じています。
これからWeb制作を始めていこうと考えている方々のために、少しだけ役に立つかもしれない、「10年間Web制作を続けられた理由」を残しておこうと思います。
あくまでも、これらが理由だったのではないかというくらいの感じです。
今後10年間Web制作が残り続けるかは分かりませんが、個人で仕事をする上でも役に立つかもしれません。
理由1. 作ることが好き
ただ単に、新しいコードを書いたり、ツールを使うのが楽しかったというのは、続けていく上でとてもいいポイントでした。
楽しいから書く、書くから上達するというループに簡単に乗ることができます。
この「好き」な気持ちがあって、これはどう作ろうか、今度はああ作ってみようなど、改善していくことも楽しみの一つになっています。
土台に「好き」があったので続けることができたと思います。
嫌いになることはなかったのかというと、全く無いわけではありません。コードを書くのを辞めたいと何度も思いました。
しかし不思議なことに、少し時間をおくとまたやりたくなるのです。
これはおそらく、好きなものが「コードを書く」ではなく、「作る事」であったためだと思います。
例えば、歌が好きだからアーチストになる、というよりは、歌うことによって感動してくれる人を見るのが好きだからといった、自分が満たされるような根本的なことを軸にしていると、嫌いにならないのだと思います。
ゲームが好きだからプロになりたい、というよりは、戦略を考えるのが好きだからゲームのプロになる、というような事です。
理由2. 走りながら学習するスタイル
新しいプロジェクトが始まる度に、新たに学習をしなければいけない事が沢山出てくると思います。
そういったものにも、割とお気軽な気持ちで挑戦できたことも、生き残れた理由の一つだと思います。
むしろ初めて挑戦できるプロジェクトはとても好きだという気持ちを持っています。
割と尻込みしがちだと思いますが、大抵のことはドキュメントがありますので大丈夫です。
ただ、全くジャンルの違うような、完走できるイメージが湧かないものはもちろんやりません。
その辺を上手く線引きできるようになるといいかもしれません。
理由3. どんな人間でいるかを考え続けた
技術力を上げるのと並行して、どんな人間であるかを探究した10年でもありました。
多くの人も言っておりますが、仕事もほぼ人間関係です。
期待することをしてくれた人に報酬を払いたいのが人間。
それであれば「どんな人間」でいるのかが良いのかをずっと考えました。
この探究は、10年生き残れたことに大きく貢献したと感じています。
どんな人間であるか、どんな態度で望むか、これらを考える時間は多くの人を助けると思います。
理由4. やって欲しそうな事をした
本当にやって欲しいこと、やりたいことを分かりやすく言語化できる人は、私もですが、ほとんどいません。
例えば、バナー作成のお仕事の場合、バナーを作成して「何を得たいのか」という所まで初めから話してくれることはあまりなく、結果としてお客様に不満が残る事があります。
それは双方にある「普通これくらい分かるでしょう」と言ったような持っている知識の違いが引き起こすもので、目の前の作業に追われて、そういった所を疎かにしてしまうと、「あの人とはあまり上手くいかなかった」という結果になってしまいます。
というわけで、依頼内容の本質を探すことはWeb制作でも大事なことになります。
理屈は分かる、という人多いと思います。
しかし、ある時気が付きました。
そういった、「お客様が本当に求めていること」に対応している人はどうやら少なそうだと。
なぜなら、時間に限りがある私たちには、そういった「本当に欲しいこと」を丁寧に探して、依頼されていないような仕事をやる暇はないのです。
じっくり考える事も必要で、大抵は面倒な作業も発生します。
となれば、これはチャンスでしかないと、やって欲しそうな事を探すことにしました。
理由5. 多くの人が面倒だと思う作業を引き受ける
Webサイトを作っていると、コピー機が調子悪いから見てよとか、スマホの使い方を教えてよ、なんてことをお願いされたりします。
機械が得意そうに見えるのかもしれませんが、これはいわゆる「調べるの面倒だからやってよ」という面倒なことを頼まれている事だとも思います。
パソコンが苦手だとか、ネットが疎いという場合は往々にして自分で調べるのは面倒なので、代わりにお願いします、という背景なのだと感じています。
知らないことを調べたり、作業したりすることって体力が入りますよね。なので体力温存しているのでしょう。
また、新しく導入するツールやサービスが出てきたときもこれらは起こります。
頼まれた側も面倒なのは同じではあるのですが、お客様からのお願いの場合は、一つのチャンスですよね。
見積もりに入っていないような事でも、少し時間のコストを払うだけで、印象や信頼を積み重ねることができます。
使うだけ使って消耗だけさせる人もいので、そういう依頼の仕方をしてくる人は関係を整理します。
あくまでも、投資であって、リターンを求めています。
ただ細かいリターンを目指すのではなく、顧客の利益に貢献し、その結果私たちも利益が上がるという双方にとって良い方向を目指します。
理由6. 他人は他人、自分は自分
これまでは、自分の時間を他人に使うような、前のめりに仕事をしていくような理由を述べました。
しかしそれだけでは疲れてしまいます。
仕事する時間は決める、ここまでという線引きをする、そういったコントロールは必須だと考えます。
最善を尽くしても、上手くいかないこともあります。
それが今の自分の限界で、最善を尽くしたのであればそれ以上の事は考えない。
もう一度確認しておけばよかった、そんな後悔が残るのであれば必ず次に生かす。
他人がどのような事を言っていても、事実とその人の感情を分けて考える。
自分で想像しているよりも、他人に影響を受けてしまいます。
他人は他人、自分は自分と線を引き、クラアインと、チームと程よい距離を持って良い関係を続けていけるのが、長く続けるコツでもあるかなと思います。
最後に
Web制作を10年続けてこれた理由を6つ書きました。先を見れば長いようで、振り返れば短いような気もします。
辛いのであれば辞めてもいいと思います。
続けて行きたいのであれば、続けていけそうな方法を取るというのが一番です。
自分に合った方法は自分で探すしかないのですが、何かヒントになればいいなと思います。
10年間続けられた事は、自分に対して肯定した気持ちにもなりました。それは続けたからこそ見えた景色かもしれません。
結局はコツコツです。応援しています。